バイオハザード5 プレイレビュー
3月5日の発売から早1ヶ月が経とうとしている「バイオハザード5」。
今回は、「バイオハザード5」本編のゲーム内容について、プレイレビューを踏まえてより深く紹介してみたいと思う。


■システムについて
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難易度:
初期状態で アマチュア / ノーマル / ベテラン のいずれかから選択可能。それぞれで敵の数や強さなどが変化する。
難易度の選択で迷ったなら、まずは【ノーマル】でプレイしてみて必要に応じて調整するのがいいだろう。が、アクションにそこそこ自信がある人は、ぜひ【ベテラン】で挑戦してもらいたい。その難しさゆえの緊張感で、正にサバイバル・ホラーを体感できるだろう。
なお、【ベテラン】でクリアすることで、さらにハードな難易度【プロフェッショナル】が出現する。コアなゲーマーも安心(?)だ。

パートナー:
今作では、パートナーとなるキャラクターが全編を通してプレイヤーと行動を共にすることになる。
パートナーはAIで制御されているが、【カバー】や【アサルト】といった簡単な指示ならできるようになっている。

クリアランクとボーナスフィーチャー:
本編のチャプタークリア時、そのチャプターのクリア時間や攻撃命中率などに応じてプレイヤーへの評価がなされ、その評価とゲームの難易度が高ければ高いほど、多くのポイントが与えられる。
そのポイントは、ボーナスフィーチャーと呼ばれる隠し要素をアンロックするために使用するのだが、ボーナスフィーチャーのほとんどは、アンロックするためにポイントとは別に何らかの出現条件を満たす必要があり、その出現条件と項目の多彩さにはやり込み派も満足だろう。

BSAAエンブレム:
ほぼ全てのステージ中、至る所に隠されているBSAAエンブレム。
ストーリーとは直接関係ないが、これを見つけ出して破壊していくことで、ボーナスフィーチャーの出現などに影響していく。
筆者の注意力が散漫なだけかもしれないが、かなり巧妙に隠されている印象で、真剣に探さないとコンプリートは難しそうだ。

新ボタンアクション:
前作「バイオハザード4」にもあったボタンアクションシステムだが、今回はそれがさらに進化。
銃火器で敵が怯んだりダウンしたら、ボタンアクションのチャンス。さっと近づき、画面に対応したボタンを押すことで【フック】などの体術アクションが発動する。
ここまでは前作と同じだが、今作ではパートナーと協力するフィニッシュブローといったアクションもできる。
また、一部ボス戦では口の中にグレネードを放り込んだりなど、視覚的にも楽しめるアクションが発動するため、つい危険を冒していろいろ試してみたくなってしまう。
弾丸も節約できることだし、何より決まるとかなり爽快なため、積極的に狙っていきたいシステムだ。

セーブとアイテム管理:
今作からゲームの進行状況はオートセーブになった。
あのタイプライターがなくなったのは残念な気もするが、ユーザビリティと今作で導入されたCo-opプレイとの兼ね合いを考えれば正しい決断なのだろう。
また、各種アイテムの管理に関しては、従来のゲーム中のアイテムボックスで管理する方式は廃止された。
チャプター間(またはリトライ時)に装備・売買・改造などを行う形となり、ゲーム中に持ち物を預けたり出したりができなくなった。
だが今作はパートナーとで2人分のアイテムを持っていけるため、この仕様変更に関して特に不自由は感じなかった。しかし、武器が増えてくるとあれもこれも持って行きたくなってしまうため、そのあたりは楽しくも悩ましいところだ。


■グラフィック
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今作からPS3、Xbox 360といった次世代機にプラットフォームを移したことにより、グラフィックに関しても大幅に進化した。
特に質感の表現が豊かになったことが特筆され、アフリカの乾いた大地やキャラクターの装備類のディティールなどなど、プレイヤーにゲームの世界観、空気を感じさせるのに大きく貢献している。

ゲーム中の何気ないオブジェクトに関しても細かく作りこまれており、筆者が特に気に入っているのはテレビをハンドガンなどで破壊した時のブラウン管が砕け散る表現だ。
実際にテレビを破壊したことがないのでなんだが、すごくリアルで面白く感じて、以来、テレビを見つける度に欠かさず破壊する始末。開発者の丁寧な仕事には脱帽だ。

また、処理能力が大きく向上したことで、とても画面には収まりきらないほどの大型クリーチャーも登場するようになった。
その余りといえば余りな迫力で、プレイヤーを絶望の淵へと案内してくれる。


■ゲームプレイ
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オブジェクティブとゲーム進行:
基本的には、戦闘や探索をしながらマップ上の目標地点(ドアやエレベータなど)へ向かうシンプルなステージ構成。だが、秀逸なレベルデザインと演出により、プレイヤーを飽きさせない工夫はさすがといったところ。むしろ、細かく目標地点が設定されていることで格段にプレイしやすくなっている印象で、つい長々とプレイに没頭してしまう。
一部を除いていつでも画面内にMAPと目標物を表示できるので、行き先に迷うことも少ないだろう。

ロケーション:
集落、油田地帯、遺跡、大型船など、舞台は豊富に用意されており、1つの作品によくぞここまで詰め込んだものだと感心させられる。
次々とロケーションが移り変わることにより、単調さは微塵も感じさせない。

パートナーの存在:
今作のキモとも言える部分で、その分ゲームプレイにも大きく影響する形で組み込まれている。
具体的には、パートナーが死亡してもゲームオーバーになることや、銃火器や弾薬、回復剤をプレイヤーと分け合うなど、基本的に助け合ってゲームを進めなければならないといった仕様だ。
これだけを聞くとなんだか煩わしい存在に聞こえてしまうかもしれないが、決してそうではない。煩わしさよりも、パートナーがいることで広がる面白みの幅の方がずっと大きいのだ。
自分だけでなくパートナーにも何を装備するか考えたり、「Help!」と叫ぶパートナーのために敵の群れを突っ切っていったり、また反対に助けられたり。
仮にバイオハザードというゲームが、プレイヤーを超人的な強さに設定した撃ちまくりタイプのゲームであれば、評価はまた違っていたかもしれない。が、バイオハザードはそうでなく、サバイバルホラーよろしくギリギリの状況から生き残ることを楽しむゲームだ。そう考えたとき、自分だけ助かればいいのではなく、パートナーも助からなければとあれこれ考えながら進めなければならない今作のパートナーシステムは、プレイヤーに新しい楽しみを与えた良システムと言って良いと思う。

操作:
基本的には前作の「バイオハザード4」を踏襲し、肩越し視点でレーザーサイトを照準に戦闘を行う。
一応三人称視点だが、視界は思ったより広くない。むしろ狭めの印象だ。また、前作からそうだが移動しながらの射撃もできないため、操作に関しては不自由に感じる局面も少なくない。
敵が目の前まで迫ってきたときなどは、一旦銃を下ろして180度ターン、走って距離をとりまた180度ターンして敵に狙いを定める。といった、現実的に考えればかなり不自然な操作になってしまう。
だがこの操作形態、改めるべきかと聞かれると「問題無し」と筆者は答えるだろう。この不自由さが、良い方向に働いていると思うからだ。
バイオハザードシリ-ズは、初作からして思ったように動けない操作形態だった(慣れもあるが)。それが5作目にもなった今でもなぜまだ不自由か?それはきっと、その方が面白いからだ。あえて操作を不自由にすることで、敵が迫ってきても思ったように動けない焦り・恐怖をプレイヤーに体感させようとしているのだと思う。
仮に広い視界と思い通りにすばやく動ける操作形態に変わったとしたら、不自由さは感じなくても、そこからは焦りや恐怖は全く感じないと思う。バイオハザードにとってこれは本末転倒だ。
そういった意味で、この不自由ながらもストレスフルでない絶妙なバランスを保った操作形態は秀逸だと感じられる。
一度プレイすれば、激しい戦闘を終えたときのあなたの手の平ににじむ汗で、それが分かってもらえると思う。


■あとがき
バイオハザード5 プレイレビュー
筆者は体験版をプレイしていないのでどういったものだったのかは分からないが、本編をクリアした今言えるのは、バイオハザード5万歳!ということだ。
ほとんどのゲームをクリア前に放置してしまう飽き性の筆者が、毎日睡眠時間を削って一気にクリアし、そしてまた2周目に入ろうとしている。本記事では詳しくは紹介できなかったが、豊富な武器と改造システム、掛け値なしに気色悪い(ほめ言葉)クリーチャー、クリア後のお楽しみ…などなど、決して一度や二度のクリアで楽しみ尽くせるボリュームではない。
まだプレイしていない人、そしてプレイ中の人も、この傑作の魅力をとことん味わい尽くして欲しいと思う。

では最後にもう一度…バイオハザード5万歳!


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